俳句・短歌 四季 2022.02.03 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第91回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 朝風あさかぜに若草若葉揺れている 思春期香り朝陽に映える 温暖なそよ風草木くさき渡り過ぎ 身体からだに沁みる心地良さ哉 水面みなもにも草地くさちの上も高木こうぼくも 深緑しんりょく溢れ地表潤うるおう
小説 『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』 【第9回】 水木 三甫 硬直する体に構わず、若い桃のような頬に唇を当てる。首筋からさらに下へ、新鮮な匂い。しがみついていた力は抜け… 【前回の記事を読む】「好きな店でいいよ」と絶対に言わない。行く店は決めてくれるし、選ぶ店のセンスもいい。浮き彫りになる、夫の物足りなさ。高校を卒業すると、希代美はすぐに故郷を捨てた。都内の小さな問屋にどうにか事務職を得た。希代美は一生懸命働いた。会社とアパートを行き来するだけの生活。とにかくお金を貯めたかった。一人で生きていくためにはお金を貯めなければいけないという強迫観念があった。預金通帳の残…
小説 『三代の光陰』 【第2回】 大村 泰 WBC準決勝・侍ジャパンの奇跡を三世代で体感! 大谷翔平と村上宗隆が紡いだ劇的逆転劇 【前回記事を読む】企業買収をめぐる陰謀、医療事件、職務の失態…それでも支え合ってなんとか乗り越えた、三世代の家族が共に歩む日々――。抜けるような青空にマリアッチのリズムが響き渡る。緑と赤を基調にしたユニフォームを着たメキシコの応援団が陽気に踊りまくる。ソンブレロをかぶった若者がビール瓶を片手に歌い騒ぐ。太鼓と笛が盛り立てる――。WBCの準決勝、日本対メキシコ戦は試合開始の何時間も前からお祭り騒ぎ…