俳句・短歌 四季 2020.12.24 歌集「漣の夢」より3首【第1回】 歌集 漣の夢 【第1回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 此の時と春爛漫に咲く桜 友愛感じ涙伝わる 【二〇一二年】 桜色仄かに白い淡紅の 絶美を極めし癒しを呉れた 花盛り茎に着く花木にも花 各種書用自己を表現
小説 『アイアムハウス』 【第8回】 由野 寿和 「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて!」オンラインゲームの最中に背後から襲われた長男 次に深瀬はパソコンのディスプレイに目をやった。デスクトップパソコンは本体が光っており、画面にはいくつものウィンドウが表示されている。「この画面は犯行当時のままか?」「そのようです」「俺にはわからんが、何の表示だ?」「これはCHAO(チャオ)とかいう、人気のオンラインゲームだそうです。オンライン上でチャットをしながら戦うサバイバルゲームで、世界中でプレイされています。どうやら世界大会も開催されてい…
小説 『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』 【第21回】 行久 彬 二の腕には赤銅色の逞しい筋肉がつき、それが夕日を受けてさらに赤く染まる姿はこの上もなく魅力的だった… 考えてみれば奇妙な関係だった。自分が拾って来たとは言いながら、奈美のことはほとんどわからないままに既に半月近く生活している。それで美紀に何か困ったことがあるかと言えば特段何も無い。むしろ美紀にとって奈美の出現は一人暮らしの寂しさを忘れさせてくれていた。しかし、漁火の客たちのように美紀も奈美がこの地に流れて来たわけに関心が無いわけではなかった。奈美が自分のことを何も話さなくても美紀が生活する上で何…