俳句・短歌 四季 2020.12.25 歌集「漣の夢」より3首【第2回】 歌集 漣の夢 【第2回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 【二〇一二年】 太陽が燃えつつ沈み東空 月が出て来る天体のショー 冬の間の寂しく生えた松の木に 花々囲み緑葉華やぐ 春の宵朧に霞み輝いて 満月の花闇に咲いてる
小説 『僕が奪ったきみの時間は』 【第6回】 小西 一誠 「彼女さん、妊娠しているんだぞ」(……え? 妊娠?)父と母は、まるで僕が危害を加えた犯罪者のように、ひたすら謝っていた 【前回の記事を読む】吐き気と眠気で保健室へ通うようになった彼女…ある日彼女の両親が家まで来て、僕を見るなり怒りをぶつけてきた。その理由は…「お前、なんのことかわかっているのか?」それまで黙っていた父が、背後から聞いたこともない低い声で言った。「えっと……」戸惑う僕の心臓は、次に発せられた父の言葉に大きく飛び跳ねた。「緑川遥香さん、妊娠しているそうだよ」……え? 妊娠? 頭の整理が追いつかない。父…
小説 『しあわせについて』 【第10回】 杉野 六左衛門 「戦地で苦労している人がいるのに、のんきに音楽会なんて」お国のために、お国のために……。合唱をすることは非国民? 【前回の記事を読む】小声で練習していると父に「変な歌だ」と言われた。父には分かるわけがないと放っておいたが、その日以来…一年生は女学校分も担当しなければならない。毎年頼んでいる学校だから「愛想よく今年もお願いします、と置いてくればいいのよ」とサエさんは他人(ひと)ごとのように言った。朋はシズちゃんと一緒に純心(じゅんしん)高等女学校と樹幹(じゅかん)女子学園に行くことになった。純心は二人とも初め…