10月30日(金)
再び、入院
午後1時にみなと赤十字病院へ行き、入院手続きのあと、病室に入った。
前と同じ7階で、ただB棟からA棟に変わった。窓外の景色は前の方が良かった。A棟は高速道路しか見えない。
そういえば2011年3月、大震災の直前に、良子は胆嚢摘出手術を東邦大学病院で受け、3・11の衝撃はベッドの上で味わった。点滴のポールが動くのを、慌てて支えたと聞いた。
その部屋の窓外風景はとても良く、天候によっては富士山が見えた。
計測された体重は57㎏であった。普段は60㎏であったが、これは食事制限の故であろう。その他に異常はなかった。風邪気味だったのは完全に抜けていた。顔色も良かった。
B先生の事前説明は18時の約束であったが、病院では予定通りにいかぬと承知していた。
20分頃にB先生が4、5人を従えてちょっと顔を出し、「遅くなってすみません。ちょっと回診してきます」と言った。B先生がナース一人を従えて部屋に来たのは19時であった。
「面談室がいっぱいなので、ここでやりましょう」と言った。
先生の説明、要点。
がんの位置は「横行結腸」で、かなり大きい。
腹腔鏡下手術で行う。理由は開腹手術よりも安全だからである。現在大腸がん手術の80 ~90%は腹腔鏡下で行われている。
簡単に開腹手術と比較すると、
(a)開腹手術に比べて時間は長くかかる(何もなくて3~4時間)
(b)合併症の危険は減る
(c)痛み、出血も少ない
(d)術後の見た目も良い
「ステージ」について
(a)がんの深さ
(b)リンパ節に転移しているか、いないか
(c)他の臓器に転移しているか、いないか
これらは実際には検査では分からない。
PET-CTについて
「PET-CT検査で、他臓器にがんは見当たらなかったと聞いておりますが」という私の質問に対して、「PET-CTでも小さいものは(確か5㎜以下と聞こえたが)捕捉できません。検査費用が高い割にはアテになりません」
従って内科の段階で良子が告げられた “ステージⅢ” の評価は、本当は、あけてみなければ分からない、ということになる。
生存率について
(a)良子の場合、ステージⅠはない
(b)ステージⅡ(リンパ節への転移なし)87%
(c)ステージⅢ(リンパ節への転移あり)70%
(d)ステージⅣ(他臓器への転移あり) 15 ~20%
起こりうる「合併症」
(a)縫合不全 2~5%
(b)腸閉塞 1~10%
(c)感染症 5~10%
(d)出血 2~3% 下血(ちょっと聞き取れなかった)
(e)他臓器損傷 1%以下
(f)血栓症 0.08% 3分の1死亡←医療訴訟はこれが一番多い
以上のような説明を受けた。
まだまだ、検査だけでは全貌をつかめないようである。