2万年前には海面は130メートルも低かった
その後、ウルム氷期の寒さが厳しさを増して、2万年前には最も寒い最終最大氷期が訪れ、北ヨーロッパと中央ヨーロッパ、そしてアメリカに氷の山が築かれ(もちろん、南極、北極も)、海水面は130メートルも降下しました。
さてそこで、最後のウルム氷河期の2万年前がボトムになり、その後、温暖化して氷雪が解けて海面が上がり、現在、間氷期に入って1万年ほどが経って南極大陸とグリーンランド(その他、ヒマラヤなどの山岳)に氷雪が残るだけになっていますので、海水面がゼロメートルに近づいていると思いますが、どの辺にあるのかはわかりません。
この海水面の100メートルもの上下動は、自然(地球)、つまり、ミランコビッチ・サイクルのなせる業でしょう。
ここで、私はこの間氷期のどこに私たちはいるのか、IPCCの予測値とこれらの関係がどうなっているのか、ずっと疑問に思っていました。
気温がどんどん高くなれば、過去の地球で起きたような間氷期の海水面の上昇に加えて、産業革命以来250年間の人為的な二酸化炭素の総排出量約2兆トン分(約1度上昇分)の上昇分が加わって、地球に過去のような荒々しい現象が起きるのではないか、ここ数年はすでにそれらの先駆けの現象が起きているのではないかと危惧していました。
産業革命のときの温室効果ガスの濃度は280ppm、それから主として人為的な温室効果ガスにより、現在(2019年)は410ppm近くになり、温度は約1度上昇したといわれています。
そして、現在、南極大陸、グリーンランドなどの氷雪が急速に解けているといわれていますので、やがて無くなるでしょう。そのときに海水面の上昇は止まるでしょう。
しかし、さらに人為的な温室効果ガスが増加すれば、地球の気温はそれに比例してさらに高くなりますので、限度はないのではないかと思いました。
つまり私は、IPCCの予測は、どうして低いのだろうと疑問に思い続けました。