過去に起きた地球温暖化と生物大量絶滅
私は、2000年頃から、地球と人類の歴史『自然の叡智 人類の叡智』を執筆しはじめており、過去の地球の歴史を調べるうちに、大気中の二酸化炭素の濃淡で温室効果が大きく変わり、それによって地球に大激変や生物の大量絶滅などが起きたことを知りました。
地球の全球凍結(スノーボールアース)
たとえば、太古代の24億5000万年前~22億年前に地球の造山帯の活動が活発化し大陸がたくさん造られ、大陸から大量に流出した金属イオンによって、海水中にとけていた二酸化炭素が石灰石となって海底に大量に沈殿し、大気中の二酸化炭素が減って、温暖化効果が弱くなり、地球はだんだん冷えて寒冷化して、ついには地球全体が凍る全球凍結(スノーボールアース)の状態になることがありました。
長年月で起きたことですが、二酸化炭素のもつ温室効果のすさまじさを知りました。その凍結の仕方ですが、シミュレーションによるとあらゆる大陸の上に3000メートル級の厚い氷がはり、さらにすべての海が、深さ1000メートルまで凍ってしまうという激しいものでした。
ひとたび全地球が氷でおおわれると白い氷が太陽光をことごとく反射するために氷はなかなか解けず、地球は7000万年ものあいだ、氷でおおわれ続けました。
しかし、全球凍結が起きても火山およびその周辺の温泉で、シアノバクテリア(27億年前に出現した光合成細菌)とそれに共生する微生物たちは生き延びました。
全球凍結を終わらせたのは、地球の火山活動で、火山ガスには大量の二酸化炭素が含まれています。シミュレーションによりますと、全球が凍結してから7000万年後には、大気の二酸化炭素濃度は0.6気圧、現在のおよそ1500倍にもなり、この二酸化炭素の強い温室効果によって、気温は上昇し、ついに氷が解け始め、地球は全球凍結を脱出しました。