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ガチャガチャ

今日の夕ご飯のメニューは、やはりてんこ盛りのご飯だがふりかけが付いていた。そして、ししゃも二本、お豆腐とお麩のお味噌汁。

お豆腐は箸ですくおうとするのだが、まるで金魚すくいのようだ。お麩は二つだけが、ぷかぷかと浮いていた。それと、たくあん三切れ、以上である。

なんともわびしいが、上げ膳据え膳なのだとアッキーママは感謝して食べることにした。こんなにショックでもお腹は空いているのか、また、ぐっ~とお腹がなった。

かたわらで大滝ナースは笑いながらアッキーママのベッドにちょこんと腰かけた。アッキーママは腹ペコだったことを思い出して、夕ご飯を胃袋に急いで流し込むようにパクパクと食べていった。

そして、アッキーママが食べているのを眺めながら、大滝ナースは誰にも言ってないのよと、前置きしながら話し始めた。

「私にはね、中学三年生になる娘がいるのだけれど、学校に行ってないの」

アッキーママは目を大きく開けてびっくりして箸を止めた。

「えっ、そうなんですか!」

「小学校の高学年の頃からかしら、学校でなにがあったのか話してくれなくて。無理に手を引いて学校の門まで連れて行ったことも何度もあったわ」

大滝ナースは、アッキーママの顔を見ずにクリーム色の壁に向かって普通のトーンの声で話し続けた。

「訳があって私が離婚した頃から娘は心を閉ざしてしまったわ。コンビニにも行かないの。ずっと家にいるわ。けれど、我が子が『不登校』とか『引きこもり』だとは絶対に思いたくないの。

私に原因があるのだと自分を責める日が続いたのよ。でも、しばらく前から私が仕事の時は、娘にお弁当を作っているのよ。時々、キャラ弁に挑戦して作ってみたりしてるのよ、うふふ」

アッキーママは、キャラ弁の意味がまったく解らなかった。アッキーママはアッキーのお弁当を作った事がないのである。

大滝ナースは、働きながらも頑張ってお弁当を作っている。アッキーママは退院したら大滝ナースのようにキャラ弁と言うお弁当に挑戦してみたくなった。