俳句・短歌 歴史・地理 歌集 歴史 2021.03.17 歌集「風音」より三首 歌集 風音 【第33回】 松下 正樹 何気ない日常にある幸せを探しに。 優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 マンションに住すまふ人たちおたがひを 知らず語らず笑顔ゑがほを見せず 春が過ぎ秋が巡るもお祭りを もよほし歌ひ踊ることなし 大雪に道閉ざさるるもマンションに 雪かく作業にかかはる人なし
小説 『春のピエタ』 【第18回】 村田 歩 私の妹は、5年前に殺された。高校二年生だった。自宅のすぐ傍で車の中に引きずり込まれて、河川敷まで連れて行かれ… 「早い時間ならお客さんはいないと思ってたのに、本当にすみません」「ああ、いいのよ。若旦那は特別なの。昼の三時には仕事終わっちゃう人だから。それにわたしのお客じゃないしね」意外に屈託のない話し方であたしに座るように促すと、自分も隣に座り、長い手を伸ばした。「ちょっと、あそこの神林さんのバランタインで一杯作って」バーテンの男性に命令する。こういうお店は経営者の次に偉いのはホステスさんなのだろうか。佳…
エッセイ 『保健師魂は眠らない[注目連載ピックアップ]』 【第7回】 真秀場 弥生 認知症で「壊れゆく母」を父とともに在宅で看取ることを決めた。心配性の父のために、症状を隠し続けたが... 【前回の記事を読む】頼みもしないのにリーダーとして上へ上へと昇格が続いた。神経を追い詰めて働いて昇格するたびに睡眠時間は短くなり......では、具体的にどんなリハビリ計画を立てるのが良いのか。そもそも私が今、直面している病苦は不眠と様々な不定愁訴だ。実は私の不眠と不定愁訴はそれぞれが私を苦しめているのではなく、巧妙に連動してタッグを組んで私を痛めつけている。そのような状況をどう改善していくか、…