刺ありて手には取らえぬ花薊 むらさきにほふ君をいかにせむ
にぎやかな関西訛つれだちて 媼ら金刀比羅宮の参道のぼる
金刀比羅宮の石段かぞへ登りゆく 竹杖をつく音のさやけさ
*さやけさ 清らかな響き。
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
刺ありて手には取らえぬ花薊 むらさきにほふ君をいかにせむ
にぎやかな関西訛つれだちて 媼ら金刀比羅宮の参道のぼる
金刀比羅宮の石段かぞへ登りゆく 竹杖をつく音のさやけさ
*さやけさ 清らかな響き。