俳句・短歌 歴史・地理 歌集 歴史 2021.01.13 歌集「風音」より三首 歌集 風音 【第24回】 松下 正樹 何気ない日常にある幸せを探しに。 優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 木枯らしに尾花ほほけて立ち尽す 刈らねば寂しき庭のおもかげ 咲きみつる枇杷の白花鵯がきて 目白が来てをり持ち歌うたう 午後三時ビルのさえぎる冬至の陽 日かげの差す道帰りを急ぐ
小説 『春のピエタ』 【第18回】 村田 歩 私の妹は、5年前に殺された。高校二年生だった。自宅のすぐ傍で車の中に引きずり込まれて、河川敷まで連れて行かれ… 「早い時間ならお客さんはいないと思ってたのに、本当にすみません」「ああ、いいのよ。若旦那は特別なの。昼の三時には仕事終わっちゃう人だから。それにわたしのお客じゃないしね」意外に屈託のない話し方であたしに座るように促すと、自分も隣に座り、長い手を伸ばした。「ちょっと、あそこの神林さんのバランタインで一杯作って」バーテンの男性に命令する。こういうお店は経営者の次に偉いのはホステスさんなのだろうか。佳…
歴史・地理 『嵌められた光秀』 【第3回】 根木 信孝 義兄弟に背後から挟み撃ちにされた織田信長! 秀吉にしんがりを命じ、命からがら京へ逃げ帰った。――本能寺の変までの信長の足取り 【前回の記事を読む】休憩中の今川義元を急襲し撃破した桶狭間の戦い――今川2万5千に対し、織田は2千5百だったという説も1566年に木下藤吉郎が墨俣(すのまた)に一夜にして砦を建て、織田勢はこれを足がかりにして斎藤氏の稲葉山城を攻略した。なお、この時、秀吉は砦に使う材木を長良川に浮かべて運んだが、丸太のまま運んだのではなく、長良川の上流で接合部をできるだけ加工して一旦仮組みし、それを最小限解体して…