神職がこのありさまに異を唱ふここに弓矢を帯びてはならぬと
腹の虫をさめかねたる郎党があやふき威嚇の矢を放ちたり
あな不思議放たれし矢は空に舞ひ神殿に居し人を傷つく
*久安(きゅうあん)三(一一四七)年六月十五日、事件発生。清盛三十歳。
平安末期、国を二分する戦いが起こった。それは保元の乱と呼ばれる戦乱であり、古代から中世へと、貴族政治から武家政治へと時代を切り拓いていく端緒となった。
この乱の原因である天皇家と藤原摂関家の内紛から崇徳院の配流という結末までの経緯が詠まれた創作短歌を連載でお届けします。
神職がこのありさまに異を唱ふここに弓矢を帯びてはならぬと
腹の虫をさめかねたる郎党があやふき威嚇の矢を放ちたり
あな不思議放たれし矢は空に舞ひ神殿に居し人を傷つく
*久安(きゅうあん)三(一一四七)年六月十五日、事件発生。清盛三十歳。