教室

アッキーは小学生から続けてきたサッカー部である。サッカーが出来る事が嬉しくて嬉しくてたまらない。

今は仮入部だが入部用紙の手続きなど不要であった。サッカー小僧がサッカー少年に変わろうとしていた。

とても広い校庭だったが、野球部、陸上部、テニス部などの部活動がいっぺんに練習をするのは不可能だった。毎日サッカーをしたいのに、校庭は曜日ごとに順番が割り振られていた。

けれど、晴れの日ばかりでは無い。小雨ならまだしもどしゃ降りの日もある。サッカーの部活動の用意をして来たのにがっかりして、体育館のバレーボール部を横目に帰ることもあるのだった。そんな日は家に帰っておやつを食べるとベッドにダイブするのだった。

少しずつだが幼さの殻が取れてきた頃、アッキーは小さな冒険がしてみたいと思った。勝田台駅のすぐ近くにソフトクリーム屋さんがあることは知っていた。

今日は雨でサッカーの部活動が休みになったから、ソフトクリーム屋さんに浩司と行こうと思って誘うと、即答で、行く、行くよと返事が返ってきた。もう帰りの支度をしている。

アッキーも慌てて帰る支度をして学校を出た。そのソフトクリーム屋さんは本当にソフトクリームだけしか無かった。バニラ、ミックス、抹茶の三種類だけしか無い。