海亀に寄せて
三十年の月日を経てもあやまたず この産土に還りたまはな
*海亀は、三十年後、同じ浜に来て、産卵すると云われる。
風はらむ白き帆を張る北前船 板に描かれいまも沖ゆく
*石川県羽咋(はくい)にある福浦港は、江戸時代において北前船の停泊港だった。
金比羅神社に奉納された大きな板に描かれた帆船が印象深い。
「買うてな」と訛る媼のやはらかな 声に寄りゆく輪島の朝市
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
海亀に寄せて
三十年の月日を経てもあやまたず この産土に還りたまはな
*海亀は、三十年後、同じ浜に来て、産卵すると云われる。
風はらむ白き帆を張る北前船 板に描かれいまも沖ゆく
*石川県羽咋(はくい)にある福浦港は、江戸時代において北前船の停泊港だった。
金比羅神社に奉納された大きな板に描かれた帆船が印象深い。
「買うてな」と訛る媼のやはらかな 声に寄りゆく輪島の朝市