土を割りさく福寿草 黄金の
花をかかげて春をつげをり
土ひくく 緑ひろがる仏の座
ちひさき花に人目とどかず
庭の木は 赤き角芽をよそひたり
雨の日ごとにほぐれてゆかん
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
土を割りさく福寿草 黄金の
花をかかげて春をつげをり
土ひくく 緑ひろがる仏の座
ちひさき花に人目とどかず
庭の木は 赤き角芽をよそひたり
雨の日ごとにほぐれてゆかん