啓蟄はよき日和なり菜園に
人いでて鍬を打ちはじめたり
秋蒔の菜種は冬を越して咲き
黄の花むらにわがこころ寄る
いっせいに萌黄に芽ぶく里山に
入り来て仰ぐうるはしきかな
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
啓蟄はよき日和なり菜園に
人いでて鍬を打ちはじめたり
秋蒔の菜種は冬を越して咲き
黄の花むらにわがこころ寄る
いっせいに萌黄に芽ぶく里山に
入り来て仰ぐうるはしきかな