あけがたの裏山にとよもす鶯の
すみとほる声胸に沁み入る
うすべにの若葉の萌ゆる樟の
音たてて古き下葉をおとす
茎立ちて花咲きそめし葉牡丹に
名残の雪のいたづらに降る
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
あけがたの裏山にとよもす鶯の
すみとほる声胸に沁み入る
うすべにの若葉の萌ゆる樟の
音たてて古き下葉をおとす
茎立ちて花咲きそめし葉牡丹に
名残の雪のいたづらに降る