台風の近づく兆し朱色の
ちぎれし雲の流るるはやし
台風が去りし秋空筑波なる
女・男の山体まさやかに見ゆ
*筑波山 八百七十六メートル。山体は女体・男体の二峰からなる。
かろがろと稲田とび交ふあきあかね
弥生の代より人に親しき
*あきあかね 「赤とんぼ」のこと。日本固有種といわれる。
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
台風の近づく兆し朱色の
ちぎれし雲の流るるはやし
台風が去りし秋空筑波なる
女・男の山体まさやかに見ゆ
*筑波山 八百七十六メートル。山体は女体・男体の二峰からなる。
かろがろと稲田とび交ふあきあかね
弥生の代より人に親しき
*あきあかね 「赤とんぼ」のこと。日本固有種といわれる。