わたつみの魚鱗の宮よりたづねくる
まれびとを待つここちこそすれ
*いろこの宮(魚鱗の宮) 海中にあるとされる宮殿。
**まれびと 客人。
待つほどに甲羅を負ひし海亀が
のそりのそりと浜にあがり来
星のやうにふじつぼ甲羅に付着せり
過ぎこし月日おしはからるる
*ふじつぼ 甲殻類フジツボ科。岩礁や船底に付着する。
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
わたつみの魚鱗の宮よりたづねくる
まれびとを待つここちこそすれ
*いろこの宮(魚鱗の宮) 海中にあるとされる宮殿。
**まれびと 客人。
待つほどに甲羅を負ひし海亀が
のそりのそりと浜にあがり来
星のやうにふじつぼ甲羅に付着せり
過ぎこし月日おしはからるる
*ふじつぼ 甲殻類フジツボ科。岩礁や船底に付着する。