【前回の記事を読む】料理も商売も未経験。「月30万で店長をやらないか」と誘われ家族に相談せず即答。人生が動き始めた一方、帰りの車で娘は…
第一部 自叙伝
Ⅲ 飲食業に飛び込む
ひろめ市場店オープン
お店の方は4月か5月オープン予定で話が進んでいました。ここからまた私のラッキーが起こります。当初ひろめ市場でもかなり端っこの今の店舗の三分の二サイズの物件で話が進んでいましたが、今の場所がたまたま撤退することになり、急遽、明神丸に話が来ました。
広さは1・5倍家賃も当然1・5倍です。当時、物件のことなんか何も知らない自分はどうなのかなぐらいしか考えていませんでした。今思えばあの場所も繁盛するための神様が私に与えてくれたチャンスだったのだと思います。
オープンまでは明神水産の高知営業所で納品業務を手伝い、当時、高知で私の上司になる予定の高知営業所の所長の下で働くようになり、あくまでも私は店舗の一店長として所長の下で働くという組織形態でした。その所長がオープン1ヶ月前くらいに自宅で突然死してしまい、私は一人でお店をオープンしなくてはならなくなりました。
当時は状況がよくわかりませんでしたが、会社は撤退しようかしまいかと非常に悩んだようです。なぜかというと、漁師しかしたことがなく商売もやったことのない私が一人でお店を運営しなくてはいけなくなったのですから困って当然です。
店を開店させるために必要なことを全く知らないのです。しかしそもそも人に使われるのがあまり好きではないし、自分がやりたい気持ちが強い私ですので、上司がいなくなって困りましたが誰かに代わってもらおうなどとは思わず、私が頑張ろうと思いました。そのような状況でいよいよお店も完成し、オープンが近づいてきました。
高知市内の同級生の笹岡君が僕より一年前に自分のお店を高知市内の実家の2階に開いて商売をしていたので、開店の一週間ぐらい前に俺もひろめでお店をやるので見に来てくれんかとお願いして見に来てもらいました。
見に来た笹岡君に最初に言われたのが「お前ここで何をやるの?」とびっくりされてしまいました。飲食店と答えるといや無理でしょうと言われ、なんでと聞くと「冷蔵庫がないしガスもこんな小さいガスコンロしかないし、食器を置く棚もないやん」と言われ、今度はこちらがびっくりしました。