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2章 大腸がんの疫学、検査について
2‐3 大腸がんの発見方法、大腸カメラに勝るものなし
検診で異常が見つかると二次精密検査を行いますが、便潜血検査陽性後に二次精密検査の大腸カメラを受ける人が少ないことが以前から問題になっています。
日本では便潜血検査が陽性でも10人中3人ほどは放置しており、精密検査としての大腸カメラを受けていません。
韓国では便潜血検査陽性になった後の大腸カメラ検査を無料化したことで、受診率が高くなりました。
さらに個々の検診の有無が住民登録番号(韓国版マイナンバー)と紐づいているため、行政が拾い上げやすくなっています。
日本でもクーポン配布など、大腸がん検診受診者に対して、便潜血検査陽性後の大腸カメラ受診までをフォローするメリットの提供があればなおよいと思っています。
2-1で述べたように、進行大腸がんでは5年生存率が低くなります。便潜血検査陽性であった場合には放置せずに、苦痛の少ない大腸カメラが行える消化器内科で検査を受けて、大腸がんの早期発見を心掛けてください。
大腸がんを検出する検査では、全大腸カメラ検査がgold standardであり、これに勝る検査はありませんが、補足として便潜血検査以外についても、腹部エコー、CT、MRI、大腸CT(CTコロノグラフィ)、カプセル内視鏡、PET-CTと順に説明します。
それぞれ利点と欠点がありますので、使い分けをして補完しながら総合診断に用いています。
腹部エコー(超音波)は最も簡便に検査できる医療機器です。15分ほどプローブという端子をお腹に接触させて検査を行います。
消化器内科の医師にとっては聴診器代わりともいうべき医療機器です。胃や小腸や大腸の管腔臓器の観察には向いていませんが、その他の腹部内臓臓器の観察には優れています。
最も予後の悪い膵臓がんの見落としがないように注意深く観察します。肝臓は栄養を貯蔵する役割を持つ、「沈黙の臓器」と呼ばれる大切な臓器ですが、大腸がん、胃がん、膵臓がんからの転移が最も多い臓器でもあるため、転移がないかも腹部エコーで検索します。
腹部エコーには造影エコーというオプションがあり、これは小さな気泡を点滴から注射して腹部エコー検査をする方法です。注射から10分ほど経過するとこの気泡が血液の流れに乗って全身を巡り、肝臓でクッパー細胞と呼ばれる貪食細胞がこの気泡を取り込みます。
腫瘍のある所にはこのクッパー細胞が少なく、気泡が取り込まれずに抜けて見えるため、遠隔転移が肝臓にあるか精密検査を要するときには診断能力の向上に寄与するという仕組みです。