【前回の記事を読む】「あなたが毒殺したとしか考えられない」新人刑事が名指ししたのは、被害者と最も親しかった友人…だが決定的な証拠はないままで…

ダウト2――シェイクスピアを疑え

「私が証明します」

理亜が立ち上がって言った。

「烈斗が翔君の家に泊まる時はいつも私が一緒でしたから」

「えっ」

「俳優同士の交際なので極力人目につかないようにしていたんです。お互い実家に住んでいましたから、自宅で会うわけにもいかなかったので困っていたら翔君が自分のマンションなら部屋も多いから使っていいよと言ってくれたんです。

烈斗と翔君は兄弟みたいに仲良しでしたが絶対に同性愛ではありませんでした。そもそも私が『誰かいい人いないかな』って言ってたら烈斗を紹介してくれたのは翔君だったんです」

「じゃ、じゃあ、分かった。犯人は黒田さんだ。烈斗さんが実は瑠璃さんと袰岩進さんの子供だと知り、それを恨んで彼を毒殺した。

ハムレットがクローディアスに無理矢理毒杯を飲ませた時にこっそり毒を杯に入れたんだ」

焦った高井良は急に方向転換した。

「何を馬鹿な。大勢の観客が見ている前で杯に毒を入れる余裕などあるわけないだろ。

それにたとえ血が繋がっていなくても私は烈斗を本当の自分の息子として愛していた。烈斗を私が殺すわけはない」

黒田が反論した。

「何言ってるんですか。烈斗はあなたの子だって何度も言ってるじゃないですか」

瑠璃が訴えた。

「お前、進さんと付き合っていたのか。何故それを私に言わなかった」

「そ、それは……」

瑠璃は言葉に詰まった。袰岩はうつむいて黙り込んだままだった。

 

「あのお……ちょっといいですか」

詩がおずおずと立ち上がって発言した。

「今、附属鑑定所からメールが来たんですけど、DNA鑑定の結果烈斗さんは黒田さんと瑠璃さんの子供で間違いないそうです」

「ほら、だから言ったじゃない」

瑠璃が黒田に言った。

「そうか、烈斗は私の子供……だが、お前が私を裏切っていたことには変わりはない」

「そ、それは……」

その時袰岩が口を開いた。