「はいはいはいはい、じゃあここまでだ」

天蓋が手を叩きながら呆然と立ち尽くしている高井良の元に歩み寄った。

「30点」

「はい?」

「30点と言っても100点満点ではなく、1,000点満点の30点だ。君は何も分かっちゃいない。シェイクスピアのヒントを」

「いや、だって、天蓋さんがハムレットを殺したのはホレイショーだって言ったんじゃないですか。だから僕は……」

「君は物語と現実とを混同するのかね。私が言っているのはそういうことじゃない」

「じゃあ何なんですか」

高井良は完全にむくれてしまった。

「しょうがないな。皆さん、うちの高井良が大変失礼しました。彼の推理は写真週刊誌と同じです。ある芸能人に関して手に入れた僅かな情報だけで妄想を膨らまし、勝手にストーリーを作り上げてしまう例の手です。ここからは彼に代わって私が妄想ではなく真の推理を披露致しましょう」

天蓋は舞台の上に上がり込んで一同を見下ろした。

「1週間前、私がこの舞台に上がり、烈斗君の死亡確認をした時、アーモンド臭がしたのですぐに彼が青酸カリで毒殺されたと気がつきました。自殺でない理由はその時にお話ししました。舞台の主役が大事な舞台中に自殺を図るなどありえない。自殺するのなら舞台が終わってからいくらでも時間がありますからね。それと同時にもう一つ奇妙なことに気づいたのです」

次回更新は10月10日(土)、21時の予定です。

 

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