「ああ、私、その日用事があるんで」

「えっ、ひょっとしてハロウィンですか?」

「いえ、ミリタリーイベントです」

「ミリタリーイベント?」

「新型の400連発のドラムマガジンを手に入れようと思ってるんです。サバゲーに使うので」

「サバゲー? サバゲーなんかしてるんですか? 保倉さん」

「はい、それが何か?」

「い、いや、ちょっと普段の様子からは想像できないと思って……」

「もう、いいですか」

そう言うとコロネは立ち去ろうとした。

「あ、あ、ちょっと待って。天蓋さんがですね、是非『ハムレット』は観ておいた方がいいと言うんですよ」

「天蓋さんが?」

コロネが立ち止まった。

「ええ、人間関係の奥深さや人生の哲学を学ぶには警察官として最低限の教養だって」

「ふうん。分かりました。天蓋さんがそう言うのなら私も後学のために観ておきます」

「えっ、ほんとですか。それじゃ連絡先を交換しましょう」

高井良は慌てて携帯をポケットから取り出した。