「……っ、待って……大丈夫、大丈夫です。続けて」

渉はゆっくりと触れ続けた。胸の丸みに沿って手が動くたびに、幸江の唇から押し殺したような声が漏れ始めた。

「……あっ……んっ……」

「我慢しなくていいですよ」

「でも……こんなに声が出るなんて、思わなくて……」

渉は何も言わなかった。ただ、丁寧に、続けた。

指がそこにそっと触れた瞬間、幸江の唇から声にならない息が漏れ、体が大きく揺れた。

「……やっ……あっ……!」

幸江が渉の腕を掴んだ。強い力だった。

「……いいですか」と渉は聞いた。

幸江は目を閉じたまま、小さくうなずいた。

渉の指が腹部から、ゆっくりと下へと移った。バスローブの布越しに、幸江の体の熱が伝わってきた。内側に触れた瞬間、幸江は大きく息を吸い込んだ。

「……っ、あっ……っ」

渉はゆっくりと、丁寧に動いた。幸江の声が、次第に抑えられなくなっていった。シーツを両手で掴んで、何度も渉の名前を呼んだ。

「ワタルさん……ワタルさんっ…!」

やがて、幸江の体が大きく震えた。波が引くように、全身の力が抜けていった。

しばらく、動かなかった。

次回更新は9月16日(水)、22時の予定です。

 

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