【前回の記事を読む】令和の教育では「児童虐待」とされる“少しの無理”…「中1ギャップ」に苦しむ子が増える背景には、それを避ける“過保護な大人”の存在が…

第1章 これでいいのか日本の小学校

§2 「必要ですか? 年度初めの“学級開き”」

では、次に、最近ではどこの学校でも恒例化しつつある「新年度の学級開き」は必要か、ということについて話を進めてみたいと思います。

なぜ、この問題をここで取り上げたかというと、近年の教育現場では、子どもを長期的な目で見てじっくり育てるというより、「今、目の前での見える成果」がより求められるようになり、

先生方は……一刻も早く自分の手で子どもを変容させなければ……という焦りや重圧を感じながら、日々子どもと接する羽目に陥ってしまっているからです。

同時に、元号が平成に変わった頃から(ということは、ここ30、40年来ということですね……)

教室では、「困っている子(または、これから困りそうな子)への『支援・援助』が何より優先されるべき」というようなことが盛んに言われるようになってきました。

それからというもの、授業では、子どもに学習内容を確実に理解してもらうためのきめ細かな配慮だとか、遅れがちな子に対しては随時支援員をつけて学習サポートさせるだとか、様々な工夫を凝らすようになりました。

もちろんこういう配慮は大事なことではありますが、問題なのは、子どもがほんとに困ってからではなく、困る前に(または、困ってもいないのに)大人が先走って手を差し伸べてしまったり、考え込む前からヒントを与えてしまったりしがちになるということです。

いろいろと手を差し伸べてもらえて、子どもたちの様子はさも居心地よさそうに見えます。が、そんな「お子様=お客様」主義には、いつも疑問符が付いてまわります。