はじめに

「先生」になりたい!と希望する若者が減ってきている。

事実、ぼくが住む山口県でも、ぼくが先生になった40年前から比べると、「小学校教員採用試験」の受験者数は半減しており(当時は900人を超えていたが、現在は400人を多少超えた程度)その傾向は顕著である。

……これは、問題だ!

ぼくは先生になる前、いくつかの仕事を転々としたが、最後にたどり着いた「先生」という仕事に、いつのまにかどっぷりはまり込んだ。

年を重ねれば重ねるほど、その魅力にどんどん「のめりこんで」いって、気がつけば、35年間で35通りの人生を味わわせてもらったと言えるほど、素敵な日々を送らせてもらってきた。

……なのに、なんで「先生」という仕事の魅力が、今の若者たちに伝わらないのか?

とは言え、そう言うぼくも、初めから好きで先生になったわけではない。

なりたての頃は、「今日辞めようか明日辞めようか」と思い悩む毎日だったことを思い出す。

だからこそ、そんなぼくが子どもたちとの関わり合いを通して、少しずつ、お互いを「試し試され」しながら、「先生の仕事とは、目の前のひとりひとりの子どもを自立させるための方策を探ることだ」と気づかされ、

試行錯誤を繰り返す中から自分なりに編み出した、「子どもを自立させる(自立=自分で考え、自ら進んで行動できるようになる)ためのノウハウ」をこの本で紹介していきたい。

ぼくが20代の頃は、スポ少の指導をいくつか掛け持ちして、1日15、16時間働いていた(朝5時に学校に行って、家に帰りつくのは夜の8時か9時)。

~それだけ働いていても、肝心の担任しているクラスの子どもたちは、中学校に行ってから不登校になったり高校を中退したりした。子どもたちと一緒にいても、心はどこかざわついていた。

それが、50代になった頃には、1日ドンピシャ8時間勤務(正確には7時間45分。出勤時間は朝8時から夕方4時半まで)で、教え子たちを心穏やかに指導できて、完璧とは言えないまでも、ほぼ「自立」に近づけられたと自負している。

……何が変わったのか? 子どもへの熱い「思い」は、全く変わっていない。

ただ、「やり方」を変えたのだ。たったそれだけで、すべてが変わる。

その「やり方」を若い人にぜひ読んでみてほしい。そして、目の前の子どもたちに合わせて、さらにより良い方法を、自分の頭で考え、自分で試し、活気あふれる毎日を送ってほしい。(すぐに、うまくいくものではありません)

そうやって、学校での「試行錯誤の闘いの日々」を思いっきり楽しんでくださいね……では、

おっと、でもその前に、まずは、今の小学校を取り巻く「教育環境」への問題提起から……