【前回の記事を読む】「お母さん、どうして分かってくれないの?」…肩を震わせて嗚咽する子ども…次の瞬間、彼の手の甲に黒い鱗がびっしりと生え始めて…

サイコ8――リヴァイアサンの暴走

賽子は火を吐きながら追いすがってくる竜に青い光で応戦して一進一退の苦闘を続けながら東へ向かった。

しかし遂に逃げ疲れた賽子はそこだけまだ無事だった東京スカイツリーのゲイン塔の頂上に舞い降りた。

竜もその近くに着地して、スカイツリーの倍くらいの高さから鎌首をもたげて賽子を見下ろした。

彼女は頭に怪我をしており、流れ出した血が顔の右半分とワンピースの肩の部分を赤く染めていた。

「賽子さん!」

やっと追いついた麻利衣が車を飛び降り、スカイツリーを見上げて大声で叫んだ。

竜がテレパシーで賽子に語りかけてきた。

 

――お母さん、もう親子喧嘩はこのくらいにしよう。僕はお母さんのことが大好きなんだよ。もうお母さんをこれ以上傷つけたくないんだ。だから僕と仲良くしよう。僕の味方をしてくれさえすればそれで満足なんだよ。

 

「……」

 

――さあ。こっちに来なよ。

 

「おまえのような腐れ外道に母親呼ばわりされるのは不愉快極まる経験だが、もし、私が母親としておまえにしてやれることがあるとすれば、それは自分の罪は身をもって償うべきと教えてやることだ。今からたっぷり尻をひっぱたいてやるから覚悟しろ」

 

――残念だよ、河原賽子。母親だと思って特別扱いしてきたが、やはりおまえは不要な存在だ。これでさようならだ、お母さん。