ラブラドール・レトリーバーは、人間の言葉をよく理解し、人間の感情も読みとり、人間の命令や指示にはきちんと従う性格である。 散歩をしていても三叉路に差しかかると、ちらりと人間の方を向いて、右へ行くか左へ行くかを確かめる。人間の歩くペースに合わせて右側をきちんと歩く。人間が立ち止まると立ち止まり、信号待ちの際はきちんとお座りをして待っている。

厳しくしつけをしたわけではないのに、吟は常に人間の指示を仰いでそれに従った。

決して飼い主の意に背くようなことはしなかった。

盲導犬に最適なだけに、排泄も朝と夕方外に出してやるだけで十分だった。それだけ我慢もできた。

朝の散歩だけは、一番の楽しみでもあり、好きなときに好きなようにオシッコをした。暑い夏は小川に入って歩くのが好きだった。田舎の田園地帯は、必ず田んぼに水を引くための水路がある。今やコンクリート製のU字溝が設置されている。

その水の流れが大好きで、散歩コースの中でも決まった水路に足を踏み入れる。そして、十から二十メートルほどザブザブ気持ちよさそうに歩く。

水から上がったときの吟は、水遊びに興じる子供さながら、目をキラキラさせて満足そうな顔をしている。

次回更新は8月26日(水)、19時の予定です。

 

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