【前回の記事を読む】大嵐の夜、「畑の様子を見てくる」と言ったきり、父と母が戻ってこない……家に残された子ども3人を、突然の停電が襲い……
第3章
おそろしい台風
「チーグ、ミーニョ、歌うたおう! せいのっ、空に大きなオリオンかかるー」
チーホは、はじめふるえる声で、歌いはじめた。おとうさんとおかあさんが、いつも畑でうたっている歌だ。
チーグもべそをかきかき、「太いベルトの三つ星はー」と歌うと、「アリュニタームーミータカでー」とミーニョも、必死(ひっし)になって歌った。
三人は暗闇(くらやみ)の中で声を張(は)り上げた。
びゅーびゅー、ゴウゴウという嵐(あらし)の中、ちっちゃな声が、だんだん元気(げんき)になって、三人は毛布をはねのけて、手をつないで、できるかぎりの大声で歌ってうたって歌った。
チーホは落っこちそうになる涙をおさえながら、チーグは鼻(はな)をすすりながら、もちろんミーニョは涙と鼻をたらしながらね。
そうしたら急(きゅう)にパッと灯りがついた。
「あっ、ついた!」
「ついたあ!」
「ちゅいた!
三人の涙でぐちゃぐちゃになった顔が、おたがい丸見(まるみ)えになった。
「えへへへ……」
「アハハハ……」
「キャハハハ……」
と三人は笑いころげた。なんだか急にとってもおかしくなって、笑いながら布団の上をゴロゴロころげまわった。
ころがりながらも歌をうたっていたら、いつの間にか三人とも眠(ねむ)くなってねむってしまった。
わんは、せいいっぱいの子守歌(こもりうた)をうたった。
ケケケケー……ケケケケー……ケケケケー……。
それにしても畑に行った二人はどうしたかサ。わんも行ってみるよ。
ケーケ、ケーケ。