『ミノタウロス』と『ナクソス島のアリアドネ』
一例としてウォッツの『ミノタウロス』The Minotaur(1885 181・1×94・5㎝)(図9)と、この絵と類似の構図で構成されているアルマ=タデマの作品『見晴らしの利く突角』A Coign of Vantage(1895 64×44・5㎝)(図10)とを比較してみることにする。
10年後に制作された後者は、まるで後輩画家が自分の力量を誇示して先輩をあざ笑うかの印象も無きにしも非ずだが、ここではその点は無視する。
このオランダ人画家の作品の中でも水平線が比較的不分明で、一見して曖昧のようだが、よく見れば一直線に引かれている。ウォッツの絵では、直線を意図していながらうまく描けなかったのかも知れないという印象につながる。実際色の切り替えをもって線に代えている。