俺の問いかけに室内は一瞬静まり返る。菊池刑事の目に光が宿る。そして俺に逆に質問してきた。
「なんで、あんたが極竜会を調べてるんだよ?」
俺は
『やはりこれまでの経緯を話す必要がありそうだ』
そう考え、理由を話すことにした。これまでの一部始終を話し終わると菊池刑事は
「……いいだろう……私が答えられる範囲で教えてやるよ」
菊池刑事は、そう前置きして話し出した。
「極竜会は最近のヤクザ共にしては珍しく好戦的な奴らでな、金次第で何のためらいもなく、殺人や誘拐等を請け負う連中だ。ここ数年の間の行方不明や殺人事件にも極竜会が関与しているとも言われている。
あんたが今、手掛けている事件の死体の処理等も、お手の物だろう。あんたも分かっていると思うが……実行部隊……枝葉をいくらはらっても、肝心の根を枯らすのは難しい」
俺は対暴力団の専門家ではないが、菊池刑事の言うことは理解できた。菊池刑事は不敵な笑みを浮かべると、こう切り出してきた。
「あんたの話から桜手芸能事務所と極竜会は繋がっているとみた。そこでだ……桜手芸能事務所と極竜会については私らに任せてくれないか? あんた一人で全てを背負わなくてもいいと思うが……」
菊池刑事は、部屋の奥で座って俺達のやり取りを静かに聞いていた一人の初老の男性に向かって
「課長! そういうことでいいですよね?」
そう尋ねた。課長と呼ばれた男性はニヤつきながら答えた。