【前回記事を読む】「遺体を東京湾に遺棄した」と証言…引き上げ作業を進めると、金属チェーンが巻き付けられたキャリーケースが発見された。中を開けると…

# 19 #

検視官が写真を撮っていた。俺はため息とともに誰ともなく呟く。

「後は専門家に任せよう。そろそろ城東警察署に〔みんな〕戻ってくるころだ。みんなの話を聞きたい」

俺は片倉を助手席に乗せると愛車を走らせた。

城東警察署の刑事課ではみんなが待っていた。刑事課長が一言

「どうだった?」

と聞いてきた。俺は

「引き上げられた遺体は久保京子に間違いありません。傷みはさほど見られなかったので検死も問題ないと思われます」

と簡潔に報告した。そして俺は刑事課に集まっている面々を見渡し

「みんなの方はどうだった?」

と尋ねた。

松下鑑識課長が

「あの控室で殺人があったことは間違いないな……ルミノール反応が出た。知っての通り血液というのは、どんなにきれいにふき取っても完全には取り除けないからな」

ざっと所見を述べる。

暴対課の菊池刑事が

「桜手芸能事務所の経営者、大川高志を任意同行の上、本日逮捕した。逮捕理由は〔売春法違反〕〔犯人隠避〕ということだ。調べればまだ出てきそうだ。久保京子の遺体を遺棄した共犯者については、うちの若いのが追ってる。極竜会についても尻尾をつかんでやる」

菊池刑事は相変わらず鼻息が荒い。