四月十六日(水)

水を飲まない。本当に水を飲まなくなった。水の皿を近づけるとピチャピチャと飲んでくれていたのが遠い昔のようだ。

嘔気がするのだろうか? シリンジに水を入れて与えてみたら、すぐに吐いた。

生き物は水が無ければ、死ぬ。この現実の前に打ちひしがれる。幸いにも、シリンジ食やちゅーるには水分がある程度含まれているので、まだ考える時間は、ある。

自宅点滴の量を増やす選択肢もあるし、シリンジで吐かない程度にこまめに与えるのもいいだろう。

しかし、飲みたくないという状態の悪さを反映してか、元気がない。あまり動かない。動かないが、一日中伏せているほど悪くはない。

おしっこの刺激臭と尿についた血の色は減った。どうしてなのかは不明だ。

この日、猫さんのお誕生会をした。本当は三日後の十九日だが、ケーキを買ってお祝いをした。猫さんは私に抱っこされて、お祝いのケーキを見つめていた。この日にしたのは、ケーキのスタンプ二倍デーだったというのもあるが、早くお祝いをしないといつ急変するか分からないからだ。

猫さんとのツーショット写真を確認する。昨年と比べると顔の肉が落ちている。以前はふっくらして若々しかったのに。それでも猫さんは愛らしいと思う。おめでとうと声をかける。

これが最後の誕生会になるのは分かっている。できるだけ楽しく振舞おうとするが、無理だった。

妻は泣いていた。ただ、誕生日の十九日を越せないかもという予想は良い意味で外れそうだ。いくらなんでも、あと三日くらいは持つだろう。それだけが救いだった。

この日の栄養は200キロカロリー。食欲増進剤のカプロモレリンが切れた。液体の薬だから残量を見誤ったのだ。私のミスだった。

水分は飲水30mlに点滴120mlの合計150mlだった。