奥田巡査長から渡された連絡先を確認しているところに、黒崎刑事が戻って来た。そして、俺に向かって

「小林! 極竜会のことだが、課長の言うようにあの女の子達を警備するのは無理だ。そこであの子達が住んでる所轄の警察署の警ら課に『あの女の子達をくれぐれも気にかけてくれ』と頼んできた。俺にできるのはこれぐらいだ。不安は拭えないだろうが、お前はこの事件を追え! もう少しなんだろう?」

これが黒崎刑事の最善の策だった……。課長も片倉も、そして俺も、眩しそうに黒崎刑事を見ていた。

『この人に仕事を教わってきたのに、どうして〔この男〕はこうなってしまったのか?』

課長も片倉も同じ思いだったと思う。俺は黒崎刑事に

「ありがとうございました……」

そういうのが精一杯だった。黒崎刑事は自席に着くと何事もなかったかのように自分の仕事に取り掛かった。

俺は次にどうすべきか考え、思案した後、神木奏馬の逮捕状を請求しようと思った。容疑は固まっている。逃亡の懸念もある。早い方がいい。俺が課長を向くと同時に、課長が

「小林。神木奏馬の逮捕状を取るぞ。急いだ方がいいな……」

課長も同じ考えだったようだ。俺は

「お願いします」

とだけ答えた。課長が

「小林! 片倉! 明日、逮捕状を持って神木奏馬のとこへ行け!」

「了解しました」

俺と片倉は同時に応えた。俺は今日のうちに出来ることはやっておこうと思いたち

(さて……暴対課に行ってくるか……)

と席を立ち、刑事室を出ていった。

次回更新は8月3日(月)、16時30分の予定です。

 

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