俺は後の言葉を続けた。

「警官がやって来た……というわけか?」

清水智哉は頷いた後、うなだれた。俺は最後に気になることを尋ねた。

「そのヤクザどもだが……どこの組か分かるか?」

清水智哉は

「死体を片づけている時、ヤクザの1人が電話をしていて、確か……『極竜会(きょくりゅうかい)』と言っていたような?」

俺は最後に清水智哉に告げることがあった。

「清水智哉! 死体遺棄と犯人隠避の罪で逮捕する」

警官達が清水智哉を取調室から連れ出して行った。片倉は聴取記録を持って出ていった。後に残された俺は舌打ちし、呟いた。

「くそ! 極竜会か……暴対課に聞かないとな……」

俺は目を閉じると、ため息をついた。

# 14 #

昼休憩が終わり俺は刑事課長と話していた。話というより懇願に近い。清水智哉の聴取から刑事としての〈嫌な予感〉がしたためだ。俺は身を乗り出すように課長に詰め寄る。

「……ですから! 死体の処理は極竜会の仕業だったんです。あの女の子達は死体を見てるんです。処理する前の死体を!極竜会が口封じを考えてもおかしくはないでしょう! 課長、お願いです。あの子達に警備をつけてもらえませんか? 手遅れになってからでは遅いんです!」

課長はまるで子供に諭すように言う。

「小林。お前も警官なら分かるだろう? 具体的な殺害予告などもないのに警備は出来ない。お前の危惧する事は十分分かる。だが……」

もう何度目だろう? さっきからこの会話の繰り返しだ。その時、俺と課長のやり取りをずっと聞いていた黒崎刑事が突然立ち上がり刑事室を出ていった。俺も課長も黒崎刑事が出ていった事に気づかなかった。

俺は自席に戻り考えていた。もう、あきらめるか? それとも俺から、あの女の子達に『不要不急な外出は控えろ』とでも警告するか? 外出を控えるにもいつまで? ……結局、課長の判断が正しいのだろうか? こうしている間に極竜会が動き出したら? 散々考えた末、俺なりの最善の策は“警告”を出す事しかできないということだった。