俳句・短歌 四季 歌集 2020.10.12 歌集「旅のしらべ・四季を詠う」より三首 歌集 旅のしらべ 四季を詠う 【第21回】 松下 正樹 季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める 最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 音たかく夜空にあがる大花火 仰ぐ群衆のどよめきおこる 雨の朝 斑入りの筍竹林の 土を突き上げ出でて伸びゆく 竹の子は皮を被きて伸びゆけり 黒き斑紋あざやかなり
小説 『娘からの相続および愛人と息子の相続の結末[人気連載ピックアップ]』 【第10回】 川井 れもん 娘の葬儀代は1円も払わない、と宣言する元夫。それに加え、娘が生前に一生懸命貯めた命のお金を相続させろと言ってきて... 次の日から雄二と2人で、市役所に提出する書類の整理や墓に納骨をするなど、予想以上にやらなければいけない事が多かった。そのためここ数日、私は身体に激しい痛みを感じて我慢できなくなっては休憩して、回復してから行動しての繰り返しだった。それでも、なんとかやらなければならない事をすべて終了させて、やっと直美の遺産相続の手続きをする事になった。この手続きは最初から姉に依頼しており、直美名義の口座がある銀行…
小説 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』 【第4回】 武 さき 不倫した元夫との久しぶりの食事。「今、どうしているの」と聞こうと思ったが止めた。もう関係ないから。 八時十五分会社に着いた。昼休み仲のいい同僚とランチへ。「ねぇ、聞いてもいい。ゆりさん、一人暮らしって寂しくない。ごめんね」と……。「何言っているのよ。全然寂しくないのよ。一人がこんなに楽だって思いもしなかったの。食べたい時に食べて、寝たい時に寝る。自分のペースで出来る、自由気ままですごく楽しいの」自分に素直になれた。ずっと夫と子供の為に生きて生活して来たから、こんな生き方もあるのだと思った。ふっ…