【前回記事を読む】若者が自分の頭で意思決定し、主体的に行動するなんて勘違い甚だしい。議論なんて特に、ステレオタイプを作るだけで意味がない

2 プロの「手前」 〜教育と仕事始め〜

(1)教育について

問い1「中学高校の数学やまた文系の倫理社会など、単に問題の解き方や哲学者の主要著書を覚えなければ良い成績をとれません。どうして暗記ばかりの教育になるのでしょうか? また社会にでてからそういう知識は必要なんですか?」

自分が60歳を超えて、改めて物理の波長や光の事を勉強したり、哲学者の西田幾多郎さんの事や浄土真宗宗祖の親鸞さんの事を少しでも勉強しているのは、自分の今住んでいる小児医療の世界とは全く関わりがない。

それは純粋に楽しいから勉強しているのであって、なんとなく若い時に、「全然わからなかった事を浮かしておいてよかったなあ」と思うし、「あ、オレ、良い年を重ねてきてるんだなあ」と思う。

あと結局暗記は、幼小児期のなんでも丸呑み暗記に戻ることだね。小さな子どもは、なんでも意味があるからといって覚えるわけじゃないでしょう。

意味など考えないで覚えるんだけど、中学高校生でも、意味合いを考えるほど知的に成熟していないので、

「こんなの意味ない!」と怒らないでただ丸呑みしたら良い。かくいう私も未だに知的に成熟しているとは言い難いのだけれど。

問い2「高校に入ると、文系と理系に分かれますが、先生はどちらでしたか?」

理系とか文系とかの区別は今や全く必要ないんだ。

僕に言わせれば、文系も理系もあまりなくて、ボクの頭の特性は、強いて言えば文系だったような気がするけれどこれもよくわからない。

だいたい頭に特性なんかあるのかな? 世界では、学校教育で理系と文系に分けていない国も多くあるようだ。僕は高校では理系を選んだけど、微分や積分を本質的に理解したことはなかったなあ。

きまりを守って、問題を解くだけでね。

医学は生物学で大学的には理系だけど、生物学は一番文系に近い理系なので選んだような気もするな。

大学では、医学=生物学を学びましたが、理系の中で、生物学って物理や数学に比べると良い意味でいい加減で、文学に近いものだと思っている。

二十年前に人の生体をつかさどる遺伝子の数が22000とわかって、その遺伝子からそれぞれ、タンパク質が合成されている。

それらのタンパク質のアミノ酸配列も全てわかった。全遺伝子配列がわかって、そこでブレークスルーが起きたのだけれど、生命の謎がある程度解けるのだと、僕は甘く考えていたんだ。

でもその後のこの20年、遺伝子がわかったからと言って、生命に決定的な解が出現したわけでは、今の所ないからね。