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2章 大腸がんの疫学、検査について

2‐2 分かってきた大腸がん、原因と遺伝子異常について

次に、これらの大腸ポリープの大きさや形態と発がんの関連性について説明します。大腸ポリープの約8割は良性ですが、ポリープが大きくなるにつれてその中に大腸がんが含まれる確率(担がん率)が上がります。

直径5mm以下は0・46%、6mm~9mmの大きさでは3・3%、10mm以上では28・2%の確率でがんが含まれていたという報告があり、報告者によって多少数値が異なってはいますが、10mmを超えるとがん化率が10~25%に上昇するともいわれています。

SSA/Pという鋸歯状腺腫/ポリープからの発がんは、2010年にWHOで提唱された新しいものです。このSSA/Pは、右半結腸(右下の盲腸、上行結腸、横行結腸の右側まで)に見つかることが多いのですが、病変の形態が平坦で、周囲の正常粘膜と同じか、白色調をしているため見落としやすく、定期的な検査の中間で発見される「interval cancer」の発生につながっていると指摘されています。

近年、Lancetなど有名医学論文雑誌に、アスピリンの長期投与に大腸がんリスク低下効果があったという欧米での臨床研究の論文がいくつか発表されています。アスピリンは抗血小板治療薬で、脳梗塞や心筋梗塞後に内服することが多く、血流を改善させます。アスピリンは痛みや熱を和らげるために用いられることもあります。

アスピリンにはがん細胞の成長を抑制する効果があるとも考えられています。アスピリンの長期服用で大腸がんリスクが減るという欧米の知見から、将来はアスピリン使用が安価な大腸がん予防の選択肢になるかもしれません。臨床研究が今後進めば新しい知見が出てくる可能性もあるので注目しています。

また、アフリカの辺境に住む人々には大腸がんや糖尿病、心臓病が少ないことから、食物繊維をたくさん摂ることが健康上重要だといわれています。まだ、大腸がんには明らかにされていないことも多いですが、今後研究が進められることで、予防や早期発見への新たな知見を得られることでしょう。