「お母様って一体どういうことなんですか? 賽子さん、子供がいたんですか? 一体誰との間の子供です? まさか西須悠雅……」

事務所に戻ってから、恐怖のあまり麻利衣はしばらく自分の部屋で寝込んでいたが、ようやく回復すると矢継ぎ早に賽子を質問攻めにした。

「落ち着け。あれはおそらく私が神撰にいた時に採取された卵子に鷹山総裁の精子を受精させて造り上げたモンスターだ。

失敗作だと思っていたが、那花博士の研究結果を基に遂に完成させてしまったようだ。私の血を引いているから、恐ろしく強大な力を秘めていることは確かだ。既に鷹山総裁は殺されている。奴は鷹山が計画したテロよりずっと恐ろしいことを企んでいるに違いない」

「私、超能力なんて信じていませんでしたが、確かにあの時、あの青竜とかいう子供には何かとんでもなく恐ろしいものを感じました。いくら賽子さんでもあの子には敵わないと思います。一体どうしたら……」

「心配無用だ。7月5日にはあのチビに眼にもの見せてやる」

「7月5日……そう言えば、千晶の結婚式だった……」

その時チャイムが鳴って、鍬下が事務所に入ってきた。

「賽子さん、昨日の事件のことで本庁に任意同行をお願いします」

「断る」

賽子はにべもなく断った。

「警察は無能だ。おまえたちは神撰のテロを防ぐことはできない。警察に協力するのは時間の無駄だ」

「そう言うと思ってました」

「じゃあ、何で来たんですか?」

麻利衣が訊いた。

「あなたたちに確認したいことがある」

「?」

「僕は倒れて病院へ運ばれる前に、北海道に行っていました。国際超能力研究所のことを調べるためです。しかし、そこでいくつかの矛盾点に気づきました。賽子さん、那花吉郎氏が逮捕された後、神撰があなたを拉致したというのは嘘ですね」

賽子は鍬下に眼も合わせず、遠くの景色を見ていた。

「あなたはその後、那花小百合さんに引き取られ、15歳になるまで那花家で暮らしていたはずだ。そのことは麻利衣さん、あなたももちろん知っていたはずだ。どうして二人で示し合わせて僕を騙したんですか」

次回更新は7月13日(月)、21時の予定です。

 

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