一人歩きの尾行完了

彼も将来の自立を目指して、小学校の高学年から一人歩きの練習を始めた。お母さんも自立のためと聞いて、協力に力が入った。一人歩きの進め方を詳しく説明すると、自分でも進められそうと言った。きっちりやる性格のお母さんなので安心して任せることにした。

スタートはこばとの入り口から最寄り駅まで、次は駅の改札口から乗車ホームまで、そして電車を待つ場所も一定にする。

次は、そこから一人で電車に乗り一駅乗って千葉駅で降りる。階段を上って別の路線のホームに行き、決めた場所で電車を待つ。

二駅乗って家の最寄り駅で降りる。その間、彼から見えないようにお母さんが尾行する。

降車駅に着くと、隠れて付いて歩いていたお母さんが先回りして改札の外で彼を出迎える、この手順を数カ月続けた。最後は私が確認をした。

一人歩きは彼を精神的にも成長させた。お母さんは彼の成長を信じて努力を惜しまなかった。

支援学校高等部の時、学校対抗の駅伝(伴走なし)の選手に選ばれた、と誇らしげな年賀状をくれたお母さん。

お母さん、あなたの愛情のおかげですよ。