電車内ではバンザイを!
早業(はやわざ)他害行為
あるお母さんが、坊主頭の男児を連れて療育相談にやって来た。幼児教室兼面談室に案内し、彼女が持参した彼の生育調査票に目を通した。三人兄弟の末っ子になるが、姉、兄とはだいぶ年が離れている。でも、姉、兄も育児を手伝ってくれるので保護者が四人いるようだ、とお母さんは笑った。
乳児期の生育状態を聞くと、お母さんは笑い顔だが目が赤くなり、涙目になってきた。乳児期に上の姉、兄とは何となく違うので、お母さんは一抹の不安を感じながら育てたそうだ。
一歳児健診で体の発達に問題は見られないと言われた。子育て経験のあるお母さんは彼が二歳になっても言葉が出なかったので、これは、と確信に変わり発達診断を受けた。
自閉症という診断だった。救いだったのは、家族がこれまで通り変わらない態度で末っ子に接し、育児も手伝ってくれたことだった。
三歳から障がい児のための通園施設に通わせた。わずかながら発語もあった。同じ通園施設のママ友からこばとのことを聞いてすぐに申し込みの電話をしたと言った。