4 私の心が弱くなった要因

私には、教頭として3年間、単身赴任した時期がありました。

当時、中学校1年と小学校5年の息子がおり、離れ離れの生活は私にとって淋しいものでした。結局、長男の中学校3年間は、私は家に不在であって、妻には大変苦労をかけました。現在、息子たち二人は大学生となり、ともに一人暮らしをしています。

赴任した中学校は、21学級あり、生徒数は六百数十人、教職員も40名近くいました。

学校は荒れ果てており、いじめや暴力行為は日常のことであり、数部屋ある指導のための別室は常に満室でした。先生たちは指導に追われ職員室で休む時間などほとんどなく、疲弊していました。

生徒が帰宅した夕方になって昼食をとっている先生もいる状況でした。暴れる生徒が多く、仲裁に入ることもありましたが、荒れ狂う生徒を制止させるのは一苦労でした。

私は、先生たちが生徒から手を出されたり、生徒に手を出したりすることだけは避けたいと常に思っていました。生徒指導で日付を越えることもあり、心も体もクタクタでした。

何よりもしんどかったのは、保護者対応です。

毎日のように、保護者や地域の方から苦情の電話をいただきました。

「学校は何をしているのか!」

「どういう指導をしているのか!」

「うちの子は、いじめられているのに何もしないのか!」

というお叱りの言葉を毎日のように受けました。

職員室で電話の対応を聞いている先生からは「教頭先生、クレーム対応の人みたいですね」と言われました。