第Ⅲ章 宗教政策史と人の心理
宗教政策の始まり
私達が歴史や宗教を学ぶ中で、「宗教政策史」という視座で学ぶ機会はあっただろうか? 古代世界では、徴税と軍事と宗教政策が国の根幹を成すものだった。
支配者達は、律令と軍事だけでは国は治められず、宗教という見えない鎧で国を覆わなければならない事を知っていた。
私達はこれを、歴史として又は宗教として学ぶことができるが「宗教政策史」という支配者側に立った政策の編年を知る機会はあまりない。
支配者の歴史は支配者だけが知り、庶民は庶民側の歴史だけしか知り得ないのが常というものだが、できる限り政策的な方向から角度を変えて宗教を考えてみたい。
アーリア人の宗教であるゾロアスター教は、世界初の善悪二元を説いた宗教だ。
天獄と地獄、世界は闇と光であり、統合と分離を繰り返す。
末法思想『世界の終末』や『救世主』の存在が生みだされ、人々に恐れや罪の意識つまり心理的な負債を植え付けることによって救済への必要性と求心力を高めていった。
ゾロアスター(ツァラトゥストラ)教の救済思想は、何世紀か後に生まれた、仏教、キリスト教、イスラム教など世界の宗教に影響を与えた。
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