【前回の記事を読む】総務省によれば、2025年1月の日本の人口は約1億2000万人で、前年から約91万人減少。すなわち香川県の人口が1年で消失した規模だ

序章

民族にはそれぞれ固有の伝統と文化があり、それが民族の歴史を根底において動かし、国の根幹を支えている。そのことを理解することが何よりも重要である。

日本が「少子化・人口減」という滅びの道を歩み始めたということは、どこかで道を踏み外したということである。そのような認識のもとに歴史を振り返ると、原因は単一ではなく複雑に絡み合っていることが分かった。

それを理解してもらうために、以下、箇条書き的に原因を3つに分けて書いた。

全体構造が分かれば、解決に向けた第一歩が見えてくると思ったからだ。

日本は今、歴史的な岐路に立たされている。こういう時こそ過去に学び未来に向けて行動することが重要である。

【根本原因】――三つの構造的な誤り

日本は中国のような大平原の国ではなく、山や湖、半島や島々が点在する複雑な地形の国である。森林の面積が国土の約2/3を占め、島の数は約1万4千にも及び、海岸線を直線に伸ばした長さは世界で6番目に長い。

領土とEEZ(排他的経済水域)を合わせた面積は世界で9番目に広い。

日本は小さな国と思い込んでいる人が多いが、実際には「小さくない国」である。

先人たちは、この自然豊かな「小さくない国」を、その地理的特徴と地方ごとの特色を生かすために地方分権によって治めることを考えた。

8世紀に成立した律令制は地方分権を前提としており、その最も成熟した形が江戸時代である。文化の華が開き、庶民は太平の世を謳歌した。

しかし、明治時代に権力を握った藩閥勢力が西洋近代社会を模倣し、中央集権制を導入した。これが第一の誤りである。