序章
第一の敗戦は先の大戦で経験した。
そして今、「少子化・人口減」という未曾有の事態が「第二の敗戦」として忍び寄っている。
これは静かな有事であり、放置すれば確実に滅亡の未来が待っているだけである。
内閣府が2012年に発表した予測では、2050年に日本の人口は1億人を下回り、2100年には5000万人を割り込み、3000年にはたったの1000人になるという。
絶滅危惧種に認定されたようなものである。しかも、実際の減少ペースはそれをはるかに上回っている。
総務省が発表した2025年1月1日時点の人口は約1億2065万人で前年から約90.8万人の減少となり、16年連続のマイナス、過去最大の減少幅となった。
香川県の人口が1年間でなくなったことになる。今後はこれがさらに加速すると言われている。
識者の中には「人口が4千万人で止まれば明治時代に戻るだけ」といった無責任な楽観論を唱える者もいる。
8千万人国家を目標に掲げる有識者会議もあるが、目標は低く設定するものではないし、「高止まり」という言葉はあっても「低止まり」という言葉がないように、人口減少スパイラルに入れば都合よく止まることは絶対にない。
人口を維持するには合計特殊出生率(以下「出生率」)2.077が必要だが、「目標」に達した途端に出生率が2.07に上がる訳ではない。
2024年の出生率(1.15)を考えれば、無責任な空想論にすぎない。また、少子化対策として、マッチングアプリなどを使い「出会いの機会」を増やすことを強調する意見がある。
効果がないとは言わないが、日本の少子化・人口減は歴史的・構造的な問題が絡んでいるので根本的な解決にはつながらない。
日本に住む日本人の割合が低下すれば、列島そのものが乗っ取られる危険性が出てくる。
場合によっては、日本人が「少数民族」として自治区という名の統制区に押し込められるシナリオさえ考えられる。
少子化・人口減は国家の構造そのものを変えてしまう恐れがある。数は力であり、国際社会は今なお力の論理で動いていることを忘れてはならない。