3 パンと菓子の本場での勉強
修業仲間は高校生
ルーアンに来て二日後の月曜日朝、初めて学校に行った。待ちに待った海外研修というより地方出張にでも行っている感じでホテルを出る。学校はルーアン右岸駅の左手の坂を歩いて10分ほど上った場所にあった。
その当時はネット検索などなかった時代。通うように指示された「LEPルーアン」校がどのような学校かほとんど情報がなかった。直訳すれば「ルーアン職業訓練高校」となる。最初のLはリセ(高校)の意味である。
この学校は、私の会社がお世話になっていたフランスの有名なパンの先生にご紹介いただいたところだった。
この先生は当時のフランスパン業界で大変有名な方で、日本のパン業界にも幅広い人脈をお持ちだった。この先生のパンに関する著書は日本でも翻訳されていてパン業界ではよく知られていた。私も購入して手元に置き参考にしていた。またフランス人だけでなく日本人のお弟子さんも多数おられ、これらのお弟子さんたちの多くは日本のパン業界のリーダー的存在になっていた。
私の会社が「若い社員を、フランスのパン・菓子学校に派遣したい。2年で一人前の技術を身に付けることができる学校の紹介をお願いしたい」と連絡したところ、公立のこの学校をご紹介いただき、入校の手配までしていただいたとのことだった。残念ながらこの学校は現在統合されてなくなっている。
LEPの校長に初めて会った際、「この先生から依頼されたので特別に日本から留学生を受け入れることになった。海外からの留学生を受け入れたのは初めて」との説明を受けた。
私が在学中、この先生はパリから何回か学校に来られ、私の授業の習得レベルを教師にお尋ねになっていた。先生のおかげでこの学校に入れたし、教師の皆さんに気をかけていただいた。すでに亡くなられたが今でも大変感謝している。
フランスの学制は日本と大きく異なっていた。学校を初めて訪問した際、生徒たちを見て驚いた。13あるいは14歳ぐらいの中学生のような生徒から18あるいは 20歳ぐらいの生徒まで、年齢が幅広い。2学年しかないのになぜこのように幅広い年齢の生徒がいるのか不思議に感じた。
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