【前回記事を読む】まだ付き合ってもいないのに…『それで…もうやったんか?』と囁かれた。何度も首を振っていると、彼女は…

瞳にプロポーズ~年の差婚

その後、ショッピングを済ませた二人は都内にある英介の高層マンションへ向かった。

マンションの地下駐車場に愛車を停め、複数あるエレベーターの中、最上階である六十階まで上がるエレベーターに二人は乗った。

一番突き当たりの部屋が英介の部屋であった。そこへ行くまでの通路の窓から見える最上階からの夕暮れ時の東京の景色は瞳にとって心踊るほど感動的なものであった。

英介が部屋のカードキーでロックを解除し、玄関に足を踏み入れるとダウンライトが二人を照らし出迎えてくれた。そして一瞬、瞳の周りに心が落ち着くような、自分よりも成長した大人のフレグランスの香りがした。

室内に入ると一人では広すぎるキッチン・ダイニング・リビングそして四つの部屋の間取り、そして東京の街を眺めることのできる広いバルコニーがあった。

何だか瞳には言葉にできない程、自分の知らない感じたことのない寂しさが感じられた。

呼吸を整え、落ち着きを取り戻した瞳は英介に言った。

「風間さん私と一緒に作りませんか?」

「あーはい……じゃあご指導お願いします」

二人は顔を見合わせて笑いあった。

キッチンに立った二人は瞳の指導の元、テンポ良く料理が進み、最後は英介がフライパンでこんがり程よい焼き加減でハンバーグを仕上げることができた。

「いただきまーす!」

先程の寂しげな空気を一新して二人は楽し気に年齢の差を感じさせることなく盛り上がった。

しばらくして、二人は洗い物を終え紅茶を飲み一服していた。しかし刻一刻、一緒に過ごす時間は無くなろうとしていた。

英介は瞳が置き時計を見ては顔の表情が沈んできているのがわかった。瞳の気分が下がる前に家まで送ろうと思った。その瞬間瞳の口が開いた。

「私……帰った方がいいですか? いたら風間さんの迷惑ですか?」

明るいイメージの瞳とは一転して何か寂しげにそれも声を震わせながら英介に言った。

もうこれ以上、彼女を頑張らすことはできない。待たすことはできない。英介は自然と瞳を自分の胸元に抱き寄せた。

二人は無言で顔を見合った。

「ずっと傍にいてほしい……」

英介は瞳に口を近づけた。瞳もこれを抵抗なく受け入れた。そして互いの唇の感触を味わった。

英介は瞳の顔を見た。目を見た。

瞳はゆっくり頷いた。

英介は瞳を静かに抱き上げ寝室へと足を運んだ。

広くてふっくらしたベッドに瞳を寝かせた。

瞳が英介の耳元で囁いた。

「シャワー……」

英介は首を振り、すかさず瞳の唇を奪った。

二人は愛を感じるままに舌を絡め合い、深く口づけをし続けた。