第一部 本能寺の変への道

戦国時代

この物語は、血で血を洗う戦国時代から徳川幕府による二百六十年余の長期平和時代へ移行する過渡期の物語である。

従って戦国時代について、予備知識程度に述べてみたい。

南北朝時代

足利尊氏は後醍醐天皇の呼び掛けに応じて、鎌倉幕府を打倒し、室町幕府を開いたが、あくまでも天皇親政を主張する後醍醐天皇と意見が合わず、後醍醐天皇は天皇親政による都を吉野山に移し(南朝)、尊氏は京に光明帝(北朝)を擁立して自身の正当性を主張した。

南北朝時代(一三三七年一月より一三九二年十一月)である。

三代将軍足利義満は、南朝を擁立する楠木正儀等の軍勢を河内で破り、その結果、南朝は立ち行かなくなり、後亀山天皇は退位し、後醍醐天皇が持ち出した三種の神器を譲渡して、北朝第六代後小松天皇に譲位し、以後天皇家は一本化された。

この争いは、結果的には天皇家の権威を著しく低下させ、以降、警察権、裁判権、商業権など全ての権益が、武家による支配構造に移行した。