【前回記事を読む】高さ60cmのベビーガードを跳び越えられず、転倒した愛猫……昨日までできていたことが、また一つできなくなった姿に、私は……

悲しみの底で見つけたもの~猫さんが生きた八十九日間の記録

三月二十八日(金)

朝の飲水は悪くなかった。数日ぶりに排便があった。ただ、食欲は無く、固形のおやつを差し出しても拒否した。

お昼前に点滴へと連れて行く。体重は4.46kgと横ばい。受診後、カリカリご飯を食べた。最近は食べてもおやつかちゅーるばかりだったので、総合栄養食を食べてくれるとありがたい。

結局ご飯だけで一日必要量の四分の一を食べてくれた。これならおやつやちゅーると組み合わせればカロリー摂取の目途が立つ。

この日の栄養は130キロカロリーだった。排尿は四回。排便は二回だった。多少だが運動もしてくれていい日だった。水分は飲水300mlに点滴120mlの合計420mlだった。

三月二十九日(土)

朝、夕べ出しておいたカリカリご飯を完食していた。これだけで一日所要量の四分の一が摂れる。ありがたい。しかし、嘔吐した。飲水は今一つで、おやつを拒否。

昼間は傾眠傾向で、目を覚ました時には飲水は良くなっていた。

夕方、点滴を受けに行く。体重は4.46kgだった。いつも点滴が終わって、会計を待っている間、猫さんにご褒美ちゅーるをあげる事にしている。

これは、彼女への労いと病院嫌いにならないための習慣づけの意味がある。この時には療法食ちゅーるを食べさせている。小声でちゅーるのCM曲を歌いながら食べさせるのは、長年の習慣と約束だ。

この日も歌っていたが、食べさせている時に、邪念が心に忍び込んできた。もう、先が長くない事を予期して、待合室で泣いてしまったのだ。

猫さんが一生懸命食べる中、私は、泣く声を抑えられなかった。受付の女性が聞こえないふりをしてくれていたのがありがたかった。

点滴後は食欲が湧いているようだった。この日はカリカリ食だけで必要量の50%を摂れた。おやつやちゅーると合わせると、190キロカロリーも摂れた。ただ、活動性は低く、納戸でずっと寝ていた。

排尿は四回で、少量の便もあった。この日の水分摂取は、飲水240mlに点滴120mlの合計360mlだった。

三月三十日(日)

朝ケージを覗くと、試しに買ってみたカリカリご飯を全く食べていなかった。これはちゅーるのメーカーが作ったご飯で、ちゅーるを固形食にしたようなものだろう。

家にあるカリカリ食は軒並み食べなくなったので、新規開拓してみたのだ。味はちゅーると同じはずで、これなら食べてくれると期待していたのだが、嫌っているようだった。飲水も良くなかった。

この日、予約で午前中に点滴受診をしに行く。実は昨日、この日の予約しようとすると、予約枠が一杯だと告げられた。

日曜日は予約のみの診療なのだが、これまでは前日予約でも問題なく取れていた。私は、自分の甘さを呪った。

悲壮感に打ちひしがれていると、受付の女性が先生と相談してくれて、本来は診療時間ではない午前中に一つだけ枠を作ってくれた。