【前回記事を読む】謝罪する娘婿に「離婚届にサインして今すぐ出て行って。お願いします」と言い放った母親。だが父親が「冷たすぎ」と言い始め…
結婚することへの責任と代償
英介は真奈美と公男の前に行き深く土下座をし今回のことについて謝罪した。
その時、玄関の扉を開けて廊下を走ってくる足音が聞こえてきた。そして、応接間の扉が開いた。そこに汗一杯の瞳の姿があった。
隣の部屋にいた郁三はニヤリと笑った。
「待ってー。英君一人の問題じゃないよ。英君もお願いだからそんなことしないで。私たちは例えたらただ高速道路のサービスエリアで休憩していただけ……それから私は愛の家にお泊りに行ったの……何勘違いしてるのよ……もう……」
「えっ、じゃあ離婚届けはどうなるんだよ」
空気の読めない公男がとっさに言った。
「それは……それはドッキリよ。英君元気なかったし、なかなか私としゃべってくれなかったから驚かせたかったのよ。どうびっくりしたでしょ……」
瞳は笑いながらも涙を流し言った。そして、土下座をしている英介の手をとりギュッと握りしめた。そしてその後、抱きしめた。
「やっと来たわね。遅いわよ。ギリギリね。でも良かった。これで本当の夫婦ね」
真奈美は少し涙を浮かべながら言った。そしてその真奈美の肩に公男はそっと手を置いた。
隣の部屋にいた郁三もホッとした顔をしてテレビリモコンのスイッチを押した。
「今回、俺の出番はなさそうだな」
木にぶら下がっていたトムはジュウェルを見て笑った。